立夏1 OJT2

協業 新米社会人

配慮と気配り不足に対する洗礼

お客様目線からすれば、社内業務はひとつもない

直接、社外の顧客に向き合わない仕事をしている人にとって、顧客は存在するのだろうか?

答えは YES だと、声を大にして言いたい。経理部門で社内の仕事をしていても、間接的(最終的)には、社外の顧客に対して、企業が提供するべき価値を提供することに貢献している。

直接的は、営業マンやサービスマンが自社の顧客に対応しているのかもしれない。

しかし、営業マンやサービスマンが顧客にきちんと向き合えるように、社内向けの仕事を代わりに担うことで、間接的に、顧客に対して価値提供をしているとは考えられないだろうか。

さらに、それを敷衍すると、社内向けサービスに従事している人の直接の顧客は、社内の従業員であり、その従業員を疎かにすることは顧客を疎かにするとと同義なのだ。

自分のお客様(従業員)が、社外の最終消費者に対して価値提供を行っていることは紛れもない事実なのだから。

バリューチェーンを辿っていけば、自分の仕事は必ず顧客への価値提供業務に辿り着くことを決して忘れてはいけない。

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目の前の社内業務サービスの対象の向こうに、最終消費者(最終顧客)は必ず存在する。

したがって、目の前の従業員サービスの対象である同僚に真摯に向き合わないことは、顧客第一主義に反する行為であり、ひいては、企業業績にはマイナス以外の何物でもないのだ。

未熟な私は、この時、そのことにまるで気が付いてはいなかった。

仕事は後工程の人のことを最優先に考える

自分の仕事の結果(アウトプット)は、誰かの仕事のインプットになる。こんな単純な仕事の原理も、社会人になりたての自分にはちらとも思いつきもしなかった。

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その最たるものが、自身の銀行の支払票の書き方に表れていた。

竹田先輩から、金庫にしまっておく小口現金は、10万円以内と決まっている、と指導を受けた。

私の出納係としての一日の仕事終わりは、支払伝票を切った後、翌朝、銀行に行って現金の払出を受けるための支払票を作成することだった。

私は、性向から、やけに神経質なところがあるため、細かい作業自体はそんな不得手な方ではなかった。

小口現金の残高が10万円と決められているなら、1円の端数に至るまで、支払票に細かく刻んだ金額を計算して入れることぐらい造作もなかった。

しかし、私が作成した支払票を見るなり、山崎さんは、

「ちょっとー、困るのよねー。こんなに細かい金種、全部私に調整しろっていうのかしら。竹田君は一体、どういう指導をしているの?」

私は、10万円という残高ぴったりに合わせることだけが、自分の仕事のミッションだと思い込んでいた。後工程である山崎さんへの配慮は最初から意識の外にあったのだ。

理不尽なことというのは、自分の想像力が足りないだけ

自分の本来のミッションである小口現金の残高管理からすれば、1円単位の支払票を作成することは、目的に適っている。しかし、それがいつも協力者である同僚にとっても協力し合いやすいかどうかとは別問題だ。

この場合、金種を切りのいい数、例えば、100円×16枚、50円×4枚、10円×20枚、合計:2,000円。それに、千円札と一万円札を加えて、総額10万円以内にできるだけ近くなるように、心がけるべきだったのだ。

毎日の残高がぴたっと、1円単位で調整されて、10万円になっている状態は、別段、企業の経営にはそれ自体影響がないことだった。

どうせ、銀行から下ろしてきた現金は、10分後には、交通費の精算で少なくなるのだから。

山崎さんのお小言の後、竹田先輩に泣きついて、上記の知恵を教えてもらって、その日は事なきを得た。

私には、山崎さんからのお小言は、新入社員いじめとしか受け取ることができなかった。これも、耐え抜くべき試練だと勝手に思い込んで自分を慰めていた。

その後しばらく、といっても、実際は数年かかったのだが、最近になってようやく、後工程のお客さまへの心遣いがまるで欠けていた自分に気づかされることになる。

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