順調に貯金していたはずなのに、通帳を見るとビックリ!
あるはずのお金がなくなっていた…

これが私が元夫のギャンブル依存症を知ったきっかけです。
今回は家族のギャンブル依存症をやめさせるには?共依存の関係についてもご紹介していきます。
家族がギャンブル依存症で苦しんでいる人へ、一般的に言われるギャンブル依存症の知識から経験談からわかったことまでをまとめて記事にしました。
少しでも解決に近づけるように、ぜひ参考にしてください。
ギャンブル依存症とは?〜定義と特徴〜
まずは、ギャンブル依存症の定義、特徴についてご紹介します。
ギャンブル依存症とは?
ギャンブル依存症とは、
「パチンコや公営競技のような賭け事にのめりこむことにより日常生活又は社会生活に支障が生じ、治療を必要とする状態」
を指します。
趣味はギャンブルという方もいますが、趣味の域をこえ、日常生活に支障をきたすほどにお金を注ぎ込む、または仕事に行かずにギャンブルをする、などの状態までいくと、依存症になります。
これは日本だけの問題ではなく、世界的にも有名な病気で、アメリカでは「ギャンブル障害」と呼ばれています。
特徴1 辛い時にギャンブルへ行きがち
では、ここからギャンブル依存症の特徴を解説していきます。
1つ目は、辛い時にギャンブルへ行きがちな点です。
ギャンブルはのめり込むと大変危険な賭博ですが、娯楽として捉えられるシーンも少なくはありません。
例えば、パチンコの場合、映像で派手な演出があり、ゲーム性も強いため、飽きずに集中して行うことができます。
さらに、派手な演出とお金が掛かっているというドキドキ感で、脳内では幸せホルモンと呼ばれるドーパミンが多く分泌されることがわかっています。
これはもう最高の現実逃避です。
現実世界で幸せを感じられない時、ストレスを抱えている時、一度味わったギャンブルでのドーパミン分泌をもう一度味わいたい…そう考え、ギャンブル場へ向かうのです。
特徴2 ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとをする
2つ目は、ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとする点です。
これはギャンブル依存症の人が陥りやすい思考です。
冷静に考えると…ギャンブルを運営する人にとって、多くのギャンブラーに勝ち越されると経営が成り立ちません。
そのため、勝ち越すことは大変難しく、簡単なことではないでしょう。
しかし、ギャンブル依存症の思考は勝った時の印象が大変強く、快感のように残っています。
それは上記のようにドーパミン分泌、さらに勝った時のお金で周囲へ奢ったり自慢したり、その幸福感が忘れられないためです。
また、一般的に1日に稼げる金額は限られていますよね。
日本人の平均年収は40代で502万円、毎月21日働いたとして年間252日、年収で割ると1日約1万9000円の収入を得ています。
そこから社会保険や税金が引かれ、手取り額はもっと少なくなります。
一方、ギャンブルはうまく勝てば1日10万円単位の金額が手元に入ってきます。
こんなうまい話が何度も続く訳ないのですが、ギャンブル依存症の人はまた当たる!、これを信じてやまないのです。。
特徴3 ギャンブルに関しての嘘をつく
そして、ギャンブルに関しての嘘をつくようになります。
一応、ギャンブル依存症の人も多額のお金をギャンブルで溶かしていることに罪悪感を感じています。
そうは言っても、最後は大きく勝って終わりたい。
その気持ちでギャンブルへ向かいます。
周囲は手元のお金がどんどんなくなることを恐れて、「もう行かないで」と頼みます。
しかし、ギャンブル依存症の人はもう一度勝った感覚を味わいたいと、嘘をつきながら通うしかなくなるのです。
当初は1回2回の嘘が、毎日の嘘に変わり、「残業があるから」「友だちと遊びに行ってくる」とギャンブルへ行くための嘘をつくようになります。
もっと重症化すると、「お金を落とした」「給料が遅れると会社から言われた」など、ギャンブルで負けたお金を誤魔化すための嘘をつき始めます。
特徴4 借金を作るほどギャンブルをする
4つ目は、借金を作るほどギャンブルをする点です。
ギャンブルを隠し、お金をもらうための嘘も尽きてきたとしても、ギャンブル依存症の人は平然とギャンブルへ向かいます。
手元にお金がないため、消費者金融やクレジットカードのキャッシングで借金をするようになります。
簡単に即日で借りることができるため、ギャンブル依存症の人にとって借金のハードルは高くなく、「勝ってすぐに返せば良い」と考えがちなのも特徴です。
特徴5 やめられない
そして、最終的に「やめられない」に陥ります。
ギャンブル依存症の人の多くは、「やめようと思ったらやめられる」と思っています。
しかし、残念ながらギャンブル依存症を治すには、かなりの労力が必要で、さらに一時的にやめたとしても再発する可能性は永遠に続きます。
前述した通り、ギャンブル依存症の人の中には「勝ったらやめる」と考えている人も少なくありません。
その言葉を信じれば、最後に勝つことができればやめてくれるのでは?と思ってしまいますが、その可能性は極めて低いです。
もしも、ギャンブルで今までの負けを取り返すほどの大勝ちをしたとしても、「この勝ったお金を軍資金にもっと勝てるような気がする」と言い始めるのです。
相当意志の強い人間ならば、そのままやめられる可能性はゼロではありません
しかし、依存症と呼ばれる状態にある人はなかなかそうはいきません。
当然この状態が続くと、日常生活に大きな支障をきたし、周囲の人にも大きな影響が及んでしまいます。
ギャンブル依存症の家族の対応は?〜やめさせるには〜
ではここで、ギャンブル依存症の家族はどうしたらいいのか?についてご紹介していきます。
ギャンブルをやめさせたいと思うのをやめる
まずは、ギャンブル依存症の人に「ギャンブルをやめさせたいと思うのをやめる」ことです。
ギャンブル依存症の周りにいる家族が、本人や今後の生活を思うと「ギャンブルをやめさせたい」と考えることは当然です。
しかし、ギャンブル依存症は1970年代後半にWHOが「病的賭博」という名前で正式に認めた病気なのです。
病気を家族や周囲の人間だけでやめさせるということは無理に等しく、かえってトラブルを生む可能性もあります。
また、この病気は本人の「やめたい」意思が強くないと治せない病気です。
まずは本人に、金銭的な現実を提示した上で、今後ギャンブルをやめたいと思っているのか、聞いてみてください。
もし「やめたくない」という場合は、周囲がどれだけ説得しても難しいでしょう。
本人を変えるよりも、自分が変わることを心がけ、ギャンブル依存症の人との付き合い方を考えていくべきです。
お金を用意しない
どう付き合い方を変えるのか、距離を取るなどいろんな選択肢がありますが、その1つとしてお金を用意しないことが挙げられます。
これは本人がギャンブルをやめたいと思っている場合も同じことです。
ギャンブル依存症の人は手元にお金がない場合、どこから捻出していますか?
消費者金融も無限には貸してくれません。
最終的に家族であるあなたに、「今回が最後だから!」と土下座して頼んできていませんか?
「俺が稼いだ金だ」と暴力を振るってお金を奪ってくる場合もあるでしょう。
とっても怖いですよね。
お金を渡す以外の選択肢がないかもしれません。
しかし、お金を用意すると結局、またギャンブルをやめられなくなってしまいます。
暴力を振るわれる場合は、必ず警察や他の家族など第三者に相談してください。
ここまでくると、ギャンブル依存症の人とあなただけの問題ではありません。
暴力がない場合は、お金を持って家を出るなどして、厳しい態度で対応してください。
また、消費者金融から借りたお金も決して尻拭いしてはいけません。
ルールを守れるなら許すという方法も
お金を用意しないことが大切と前述しましたが、ルールをきっちり守ることができるなら許すのも1つの方法です。
例えば、毎月1万円だけ、負けても追加しない、というルールです。
ただ、もうすでに消費者金融に多額の借金がある依存症の人にとって、ルール内で、というのさえ、難しく感じられる場合があるでしょう。
その人その人の性格によって、方法を考えることが大切です。
病院や自助団体への相談
もし、本人もギャンブルをやめたい、そう考えている場合は病院や自助団体への相談を促しましょう。
受診する科は、心療内科や精神科になりますが、病院によってギャンブル依存症への対応が変わってきます。
投薬での治療もありますが、やはり一番は話を聞いてもらう、自ら想いを話すことです。
口コミや病院のホームページを確認し、ギャンブル依存症へどのような対応を行っているのか、チェックしましょう。
中には、ギャンブル依存症に特化したプログラムを用意している病院もあります。
もし、行ってみて合わないなと思ったら、諦めずに別の病院へ回ってみましょう。
心療内科や精神科の先生と相性が合わなかったというパターンは決して珍しくありません。
必ず相性の良い先生と巡り合えますので、ここは根気よく探しましょう!
また、病院だけでなくギャンブル依存症には自助団体も存在します。
有名なところでは、「ギャンブラーズ・アノニマス」です。
本名を名乗る必要がなく、全国各地でミーティングが行われています。
さらに、家族も参加可能なミーティングもあります。
家族ミーティングは、本人がギャンブルをやめたくないと言っている場合でも参加することをお勧めします。
家族がギャンブル依存症であるということを周囲に話すことはなかなか勇気がいることです。
そのため、自分だけで抱え込み、疲れ果てている家族がたくさんいます。
同じ境遇の人と話し合うことは精神的負担を減らすことにも繋がりますし、ギャンブル依存症の人との接し方を考える大きなヒントにもなるでしょう。
ギャンブル依存症と共依存の関係
最後に、ギャンブル依存症と共依存の関係についてご紹介します。
ギャンブル依存症の周囲には、世話役として共依存の関係をもった人がいる場合が多いと言われています。
家族は本人を心配するあまり手を貸すのですが、それが返って逆効果をもたらしているのです。
前述した通り、共依存の人の多くはギャンブル依存症の人のためにお金を用意してしまいます。
だからこそ、ギャンブルに通い続けられます。
また、精神的にも依存関係になる場合があり、「私がいないとこの人はダメだ」や「私がこの人を変えてあげなければ」と過干渉になってしまいます。
しかし、前述した通り、ギャンブル依存症は本人に治したい意思がない限り、非常に難しく周囲も大きく手を焼く病気です。
周囲の人の力ではどうすることもできない、としっかりと認識しておくべきでしょう。
そして、距離を取ることが大切です。
「もしかして私共依存かも?」そう感じたら、自分一人でも病院へ受診することをお勧めします。
まとめ
今回は家族のギャンブル依存症をやめさせるには?共依存の関係についてもご紹介しました。
- ギャンブル依存症は「辛い時にギャンブルへ行きがち」
- ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとしてどんどん依存へ
- ギャンブルのために嘘をつくほどの精神状態に陥る
- 借金をするまでギャンブルを続け、結果、やめられなくなる
- 家族はギャンブルをやめさせたいと思うのをやめる
- ギャンブル依存症の家族へお金を用意しない
- 病院や自助団体を利用し、自分だけで抱え込まない
- ギャンブル依存症の人と共依存の関係ではないか、考える
ギャンブル依存症の家族に困っている方は少なくはありません。
私の場合は、相手が夫で、ギャンブル依存症のみの問題ではなかったため、最終的に離婚を選択しました。
離婚まではいろんな試行錯誤を行い、今回の記事ではその時調べた知識と経験を元の執筆を行いました。
実際の経験談もまた執筆させていただきます。
ただ1つ言えるのは、ギャンブル依存症の家族に困っている人も、自分の人生を大切にしてほしいということです。
この記事が何かの参考になることを願っています。
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